石の家 36話:ふたりはひとり.2(学園祭編・その5)
2004/03/02 Written by サエ

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明らかにぶつかってきたのはドナの方なのに
その少年は、ドナのことを気遣ってくれていた。
自分は怪我などしていないことをアピールするためか
ボディビルダーのキメポーズなどしている。
それを見て、思わず笑ってしまうドナ。
ようやく気分も落ち着きを取り戻したようだ。

ドナ「ごめんね。ちょっとイラついてたから・・・」
バルテロ「お腹空くと・・・・・・人間、怒りっぽくなる。」
「旨い店・・・俺、知ってる・・・」

バルテロはドナをとある店へと案内した。
そこは紛れもなく、石光の家のたこ焼き屋台であった・・・。

ドナ「あ、あらあらあら?」
アーロン「全くどこをほっつき歩いていたんだ。」
バラライ「僕達、偶然通りかかったもんだから掴まっちゃった。」
ユウナレスカ「ほなもはへふ?(ドナも食べる?)」
ルブラン「あ〜あ〜だから商売モンに手つけちゃダメだって!」
ヌージ「・・・皆がきてくれて助かったよ・・・」

バルテロ「!!君・・・ここの生徒さんだったのか・・・」
「道理で・・・綺麗だと思った・・・(ポッ)」
ドナ「!!そ、そんな・・・そうだ、お礼にたこ焼き焼いてあげる!」
「ねえ、皆!たこ焼きひとり分、特急・特盛でっ!!」
バラライ「了解!特急特盛一丁!!」
ルブラン「ふふん・・・・・・その子、誰なのさ〜〜♪」
ドナ「え・・・あ、そういえばまだ名前聞いてなかったね。」
バルテロ「俺、バルテロ・・・キーリカ出身だ。」
ドナ「そう。私はドナよ。」

バルテロは、仁王立ちするドナを眩しそうに見つめた。
そしてお礼にもらったたこ焼きを
噛み締めるように美味しそうに口へ運ぶ。
そしてその姿は格好の客寄せになったのだった。
バルテロが食べる仕草は、本当に旨そうだったからである。

ヌージ「おお、そいつ、使えるな・・・!」
アーロン「どんどん作るから、そいつに食わせろ!」
ユウナレスカ「じゃ、私も食べていい?(ワクワク)」
バラライ「ドナちゃんもそこで休んでなよ。」

ユウナレスカは最初からエプロンはつけていなかった。
代わりに紙ナプキンを首元から下げていたのだ。←喰う気満々
たこ焼き当番の意味を勘違いしていたのか・・・。
バルテロを挟んで、両隣に腰掛けるドナとユウナレスカ。

ドナ「なんだか世話かけて悪いわね。」
バルテロ「・・・・・・そんなこと、ない。」
「これ、めちゃめちゃ旨い。いくらでも入る。」
ドナ「・・・さっきは、ホントにごめんね。」
「ちょっと八つ当たりしちゃった・・・」
バルテロ「・・・・・・全然平気だ・・・・・・ど・・・・・・どっ、」
「ドナ・・・・・・」

恥ずかしそうに自分の名前を口にしたバルテロを見て
ドナも何故か顔が赤らんでしまった。

いやだ!?な、なにこれ・・・・・・
え・・・・・・
エーコ先生は、どこにっ・・・!?

翌日、恋愛相談室へ
いの一番に駆け込むドナの姿があったという・・・・・・

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