石の家 21話:見逃してくれよ!.2
2004/01/28 Written by ノア

◄前のページ 1 / 2

ティーダ「親父ぃ!剣士の心構えってなんだぁ?」
サイファー「(わくわく・わくわく)」
ジェクト「ん・・・心構え・・・心構え・・・」
「そりゃおめぇよぉ・・・まずは平常心だな・・・」
アーロン「ど・・・どうやって剣は構えたらいいんですか?」
ジェクト「ちっちっちっちっ・・・型なんて気にしねぇでいいんだ。」
「よっしゃ、みんな自分で持ちやすいように持ってみろや!」

子供たちは木刀を拾い上げ、好きなようにそれを構えた。

「いいかぁ・・・いついかなるときでも平常心だ。」
「そして蓄えるんだ・・・」
「思いっきり貯めたパワーを一気に爆発!!」
「そしてそのままシューーーーート!!」
「えっ?シュート???」
「ガハハハハ!細かいことは気にすんなっって!」

しかし子供たちはその語韻が気に入ったのか、
素振りをしながらシューーーート!シューーーート!と言っていた。

パインは少し大振りな木刀を持っていたのかヨロヨロしていた。
ジェクトが腰に手を回してやり、
体をひねるように剣を振り回せと教えてあげた。
見た目派手で格好いいかなぁと思っただけである。
ベアトリクスは骨太なのか、
しっかりと剣を握り締め、シュートーーー!と練習していた。
やっぱり・・・安産型だな・・・

いいなぁ、オレ様は別にロリコンじゃねぇが・・・
こんな将来有望な女の子ばっかりの学校、
畜生、ティーダがちょっと羨ましくなっちまったぜ・・・
子供の頃から仲良くなってりゃ、
大輪の花になったときのお楽しみってもんだよな・・・

はっ!!!
あの・・・ツォンって野郎・・・
アイツの狙いはそれか・・・この子たちのその成長した姿・・・

ザナルカンドでジェクトに女の子たちが集まってきたとき、
悪鬼のようにジェクトを睨みつけていたその顔を忘れはしない。
真性ロリコンだ・・・危ないやつめ・・・そんなことを考えてるとき、
ツォンがあたふたと浜辺に走ってくるのを見つけた。

あわわ・・・病人が来ちまったぜ!
さぁ〜、どぉ〜するよぉ、ジェクトさん・・・

ツォンは息を切らせながら、
二人の可愛い妖精に異変はないかと探るような目つきで舐めまわしている。
それからさも嫌々そうにジェクトに話しかけてきた。

「(コホン)失礼ながら・・・ジェクトさん、剣の腕前の方は・・・?」
「オレ様に不可能の二文字はねぇぜ!ガハハハハ!」
「ほぉ・・・しかし怪しげなもんですな・・・」

子供たちの構えや素振りが、全員見事にバラバラなところに
実はジェクトは全くの未経験者なのでは、と疑い始めていたのである。

「何しろ基本が大事ですからな・・・」
「妙な悪癖でもつけられた後では矯正が大変ですし(フッ)」
「アホか。なんだ、悪癖って。」
「人間はみんな、一人一人違うんだ。」
「構えだってなんだって、皆違うに決まってんだろうが。」

気がつくと子供たちは素振りをやめて、
二人の会話をじっと聞いていた。

ちっ・・・確かに一理あるが・・・
お前にお前にお前にお前に、お前なんかにっ、
可愛い妖精を任せたくないんだぁああぁぁぁぁ!
大体・・・なんでシュートオォォォなんだ・・・ブツブツ・・・

「(コホン)分かりました・・・」
「ただ、元々剣指導は私が担当になっていたのです。」
「私があなたに任せられるか・・・お手合わせ願います。」

ツォンの構えに殺気が加わった。
その凄まじさは子供たちにも伝わり、
木刀といえども半端ではすまないのでないかと不安になったほどだ。

ま・・・・・・・・・
まずい・・・うーむ

さすがのジェクトもひさしぶりに冷や汗が出る思いだった。
もうなぁなぁでは済みそうな様子もない。
こうなったら・・・

ツォンが薄目をカッと見開いた。
きぃえええええぇぇぇい!!と気合の元、
電光石火でジェクトに迫る!!!

どがっ!

いつの間に用意したのか、
ジェクトは隠し持っていたブリッツボールで
思いっきりツォンの顔面に向かってシュートを決めていた・・・。

「ガハハハハハハ!正義は勝つ!!」  ←なんか違うけど・・・

「いいか、てめぇら!絶対奥の手ってのを持てよ!」
「肝心なのはそれをギリギリまで相手に見せないってことだ!」

子供たちは皆その言葉に
首が千切れるほど激しく縦振りしたのであった。
そして自分たちのオリジナルの技をも
剣技に加えるべきなのだとラーニングした。
ブリッツ一筋だったティーダが
MAX4つの必殺技を全てブリッツに関連付けさせたのも
当然だったのかもしれない。

◄前のページ 1 / 2 ページトップ▲

inserted by FC2 system