石の家 19話:見逃してくれよ!.1
直前の画面に戻る2004/01/28 Written by ノア

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そろそろ、武器或いはジョブの為の特殊魔法も
本格的に教えようということで
イデアとツォンの目の前には
石の家・光の家で取ったアンケートの山があった。

そこへ、わきの下をボリボリ掻きながら、
ツォンの天敵となりつつあるジェクトが入ってきた。

「お〜〜〜ぃ、イデア〜〜〜!」
「二人で課外授業でもしようぜぇ〜〜〜!!」

全く・・・こんなふしだら極まりない奴を
私の妖精たちに近づけるわけにはいかない!!

「あら、でも今ちょっと取り込んでますのよ。」
「ん?よしよし、オレ様に任せろ。」

ジェクトはイデアが束ねたばかりの書類を一握りすると
ペラペラとめくりながら勝手に出て行ってしまった。
慌てたのはツォンだった。

一体どこのグループのを持っていったのだ?!
白魔導師・黒魔導師・召喚師グループのどれかでもあれば、
ツォンの可愛い妖精たちは、
全員間違いなくジェクトの毒牙にかかる・・・
いや、汚染されてしまうに違いない!!!
いやだぁああぁぁぁぁぁぁーーーーーーーーーー!!

「安心なさってください。」
「魔法グループではなかったようですよ(くすくす)」

ツォンのムンクの叫び面ぶりが面白かったのだろう、
鈴の音を転がすようにイデアが笑っていた。
しかしイデアの言葉にホッとしたのも束の間、
追い討ちをかけるように止めを刺したのも彼女であった。

「それでも・・・二名ほど女子も含まれてましたが・・・」
「ああぁぁ〜〜〜〜〜〜〜!(ばたり)」

ジェクトは海岸に来ていた。
というのも、手にした書類に「浜辺にて集合」と書いてあったからだ。
見ると、既に子供たちがもう集まっていた。

ティーダ「あっ、親父!親父が教えてくれるのか?!」
サイファー「やった!オレたちゃ、大当たりだ!」

ん?オレ・・・ブリッツ教えてもいいんだっけな
ていうか、オレはナニを教えるんだ?
ナ・・・ナニ、を教えていいのか?・・・(もやもや)

ふと気がつくと、ザナルカンドでは当たり前だった、
熱い異性からの視線もヒシヒシと感じる。
本能のおもむくままにその方向を見ると、
可愛らしい女の子が二人立っていた。
いや、可愛らしい・・・というのはこの二人には似合わないかもしれない。
二人はもう既に、
子供らしさよりは大人びた雰囲気を身につけつつあるように見えた。

一人は銀髪に赤い目が印象的なパイン。
思い切り短く切ったその髪型から、
彼女の勝気そうな気質が見て取れるようである。
もう一人のベアトリクスは長く美しい髪をしており
既に少女という殻を破る気配があった。
二人とも気の強そうなのに、スーパースターのジェクトを前にして
体中カチコチになっている。無理もないか。

「そんな緊張するなってぇ〜〜〜!」
「ほい、リラックスリラックス!!」

ジェクトはどさくさまぎれにパインとベアトリクスを両肩に抱いてみた。
まさに両手に花だ。子供だけどこのさいイイ。

ジタン「す、すげぇ早業・・・」
「あの二人は絶対、ガード固いと思ったのに・・・」
ティーダ「親父ぃ〜〜〜!なにやってんだよ!」
「早く教えてくれよぉー!」
ジェクト「わぁーーったよ!・・・んで・・・オレ様は何を教えるんだ?」

憧れのジェクト様に肩を抱かれ、より緊張していた女子二人だったが
この大ボケでやっとそれが解けたらしく、
コロコロと笑い出した。

「ぜ、ぜひ・・・お手本お願いします!」

そういってアーロンが渡したのは木刀だった。

「よっしゃ、じゃまず、お前たちの自己紹介をオレさまにしろ。」
「レディーファーストだぞ、じゃ、はいっ!」

ジェクトはそういって、パインとベアトリクスから
自己紹介させた。

パインちゃんか・・・この子はベッピンになるぞぉ・・・
あの赤い目がいいなぁ・・・
なんか・・・切なそうなあの目がグッとくるぜ・・・
ベアちゃんか・・・この子は・・・
間違いなくデンジャラスボディになるな・・・
おっぱい星人のオレ様が言うんだから間違いない・・・

二人の女の子だけ熱心に聞くと、
他の子の自己紹介は聞いてるフリをしながら、
ジェクトは手元の書類にやっと目を通し始めた。

・・・なにっ!
こいつらみんな、「剣士」志望なのか?
そんで木刀か・・・・・・
んなもん、オレ様もやったことないぞ・・・むむむ

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