石の家 16話:眠らない街.1(遠足編・その1)
直前の画面に戻る2004/01/27 Written by サエ

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ルールー「みんな、大分上達したんじゃない?」
ワッカ「おう!オーラカの連中もコイツ等の才能の1/10でもあったらなぁ・・・」
ルールー「それはもう過去の遺物でしょ。」
「あんただって、もう選手なんかじゃないし。」
ワッカ「わ、わかってらい!!俺はだなぁ〜、」
「コーチとして純粋にコイツ等を褒めてるだけであり・・・・・・」
ルールー「はいはい。あんたが自分の本分をわきまえていればそれでいいの。」
「せいぜい頑張りなさい、旧少年。」

ルールーはビサイド海岸で懸命に練習する生徒達を激励してから
村へと戻っていった。
ワッカはルールーの事を脳裏から追い出すかのように頭を振ると
腕組みしながら自慢げに自分の生徒達の練習風景を眺めた。

うーーん、ホント皆スジがいいよなぁ・・・・・・
もうそろそろ、ブリッツの試合を見せてやりたいなぁ・・・・・・
イデアさんに相談してみるか・・・・・・

その夜。
ワッカ邸ではいつもの通り大騒ぎの夕食が始まった。
豪農になったおかげで
ワッカは今、無駄に広い豪邸を所有していた。
生徒の数も増えたため
生徒達全員を招いて食事をともにするようになっていた。
ルールーも自分の子供のように生徒たちを可愛がっているので
別段、文句もでなかった。
尤も、ツォンから食事代はしっかりもらっているようだったが・・・。

イデア「ワッカさん、相談とはどういったことでしょう?」
ワッカ「実はそろそろコイツ等にも、ブリッツの試合観戦させてやりてぇな・・・」
「なんて思ってみたりしているわけです、はい。」
ツォン「なるほど・・・(こればっかりは私も畑違いだし)」
「では、ルカへの手配でもいたしますか?」
イデア「いえ、それには及びません。どうせなら本場へ参りましょう。」
ワッカ「(ん、ルカが本場・・・・・・じゃなかったっけ)」
「は、はい、イデアさんにお任せいたしますです、はい。」
ドナ「いついくのかしら?」
ユウナレスカ「今から!?」
全員「おいおいおい・・・・・・」

思わず全員が手を左右にヒラヒラと泳がせた時。

イデア「善は急げ、と申します。では参りましょうか。」

するとワッカの家がイデアから発する膨大な光の渦に呑み込まれた。
全員がその光の大爆発に目が眩む・・・。


ワッカ「だ、駄目だ・・・・・・」
「おりゃ、もう、目が見えねぇ・・・・・・」


手探りで歩いていると、柔らかい桃が手に吸い付いてきた。
バチーーーーン!!
その桃・・・・・・いや、ルールーからビンタを喰らい
目から火花が出たところでようやくワッカの視界が元に戻った。

ワッカ「あ、ルー・・・・・・ここ・・・・・・どこ・・・・・・」
ルールー「・・・・・・・・・」
ワッカ「・・・・・・・・・」
「な、なんじゃこりゃ〜〜〜!?」

それは、その場にいた全員が感じていたことであった。
もはやワッカの家は跡形もなく消え失せていた。

ツォン「な、なんて所だ・・・・・・ハッ!?」
「私の妖精達、しっかり私に掴まりなさい!!」
「(むふーむふーむふー)」

光の家の生達達はその言葉を受けツォン先生に殺到した!
いきなり見知らぬ世界へ放り出され、
やはり彼女達も不安であったのだろう。
ツォン先生が歓喜に打ち震えたのは言うまでもない。
しかし、その彼にもここがどこなのかさっぱり検討がつかなかった。
某神羅カンパニーよりも
遥かに高度な文明を持っていることは、わかるのだが・・・。

彼らの目の前に広がる光景は
夜だと言うのに途絶えることのない人込み、
煌々と照らされる街並み、
そして天高く聳え立つ無数の摩天楼・・・・・・

畏怖の念で押し黙っている皆の沈黙を破ったのは
ようやく頭の上の眼鏡を探し当てたおじーちゃんであった。

メイチェン「おお・・・ここはザナルカンドではないですか・・・」
イデア「今日は特別なブリッツの試合があるのですよ。」
「さぁ、皆私についてきて。」

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