石の家 47話:微笑みの爆弾.2
2004/03/16 Written by サエ

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「あんたのその目は可哀相だけど腐ってるわ。」
「そんな目は必要ないわね。」

五寸釘とトンカチを手にしたシェリンダは
ギルガメッシュの目にそれを打ち込もうとした。

「いやいや・・・・・・ダメだわ。」
「その腐れ眼で今後の経過をしっかり見届けてもらわないとね。」

代わりに今度はスコップをしっかりと握り締めると
やおら、砂浜に穴を掘り始めた。
その目は狂気で爛々と燃えたぎっていた。

「中国の三大美女の一人、西大后って知ってる?」
「くすくす・・・・・・くすくす・・・・・・」

皆まで言わずとも、ギルガメッシュには通じていた。
なんてったってオダイン・ブランド、
雑学にかけてはシェリンダ如きに負けるわけにはいかない。
三大美女ではなく、三大悪女だ!と言ってやりたかった。
しかしそんな悠長な突っ込みをしている暇はなかった。

ああ・・・・・・わて、手足を切り落とされて
この穴倉に閉じ込められるんでっか・・・!?
わての美しい黄金の羽をこの馬鹿リンダの ←既に学習済み
人糞にまみれて暮らさなあかんのやろか・・・!?

穴を掘り終えたシェリンダは、ニヤリと笑うと
今度こそ巨大鋏を手にしてギルガメッシュの方へとやってきたのだった・・・

それからしばらくして・・・

エーコ「!!!シェリンダ・・・!!!」
ユウナレスカ「きゃ〜〜〜〜〜!!!」

シェリンダは、ギルガメッシュを踏んづけて
巨大鋏でその足をもぎ切ろうと躍起になっていた所であった。
見た目は生身でも、AIBO化だったことが良かったのか
その足は切断されることもなく、まだ無事であった。
ベアトリクスと風神が有無を言わさずシェリンダを取り押さえ
ルブランとドナがギルガメッシュの猿ぐつわを外してやった。
彼女達の後ろには、目を押さえた
ソーンとゾーンが心配そうに立ち尽くしていた・・・。

当然、この二人は
スパイ衛星で今日もしっかり学園内を観察していた。
今では観察日記もつけているというマメさだ。
一旦、ギルガメ君が寝てしまったことにより
映像は途切れたのだがそれは直ぐに回復した。
しかし、回復した割りにしばらくは映像が乱れ続け
壊れてしまったのか!?と
画面を叩いたりして付きっ切りになっていたのだ。
ようやく、見慣れたビサイド海岸の様子が映ったと思ったら
シェリンダの拷問ショーが始まってしまったのである・・・。
五寸釘のアップを見て
双子はまるで自分達の目が潰されるかのような感覚に
陥ってしまったのだ。
それにより、エーコ達に連絡するのが少し遅れてしまったのだが
なんとか間に合ったようだ。
自分達の楽しみをこんなことで奪われてはたまったもんではない!
良かった良かった。

ベアトリクス「本当にアンタって子は・・・!?」
ドナ「馬鹿につける薬はないって本当ね。」
ルブラン「どうしようか!!」
エーコ「しばらくその穴に入って反省する!?」
シェリンダ「何よ〜〜、馬鹿〜〜〜!!!」
「・・・・・・・・・・・・」
全員「・・・・・・・・・・・・」

シェリンダの愚行を見て、入り江は大騒ぎになっていたのだが
皆一瞬で黙り込んでしまった。
風神が、これ以上ない、涼やかな顔で笑みをたたえていたからだ・・・。
ああ、しかも、その手にしたものは・・・。


「不死鳥乃羽♪」


・・・・・・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・・・・

一度、シェリンダにお灸をすえるため・・・


・・・・・・・・・・・・・・・


女子は二人をその場に残し、入り江を後にしたと言う・・・。

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