石の家 45話:Where I Belong.2
2004/03/15 Written by サエ

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スコールとシューインはコッソリ食堂を抜け出し、保健室へとやってきた。

シューイン「おお、ルールーさんの匂いがする・・・」
スコール「どうだい、なんかオカシイと思う所、ないか?」
シューイン「う〜ん、見たところ普通の保健室みたいだけどなぁ。」
スコール「隠し扉とか、ないかな・・・」

何気に薬瓶のおかれた戸棚に触れたスコールだったのだが
そこはまさしく隠し扉の鍵だったようで
二人の目の前で、あっけなく別室への扉が開いたのであった。

シューイン「お、お前、この奥って行ったことあるか?」
スコール「あるわけないじゃないか!!」
「ど・・・どこに繋がってるのかなぁ・・・」

隠し扉の奥へ進むとそこはどうやら
ルールーのコレクションルームだったようだ。
モーグリ、ムンバ、トンベリ、ケットシーなど
ルールーの数々の武器が綺麗に展示されていた。

シューイン「うぉ、迫力あるなぁ・・・!」
スコール「この列は、特にレアものだぞ・・・!!」

スコールが指差した棚には
コヨコヨ君とナイトオブタマネギが燦然と輝いていた。
その更に上には、
何か別の物を飾るためのスペースがぽっかりと空いていた・・・。

スコール「ここ、なんで空いてるんだろう・・・」
シューイン「丁度、小さい子供なら座れるぐらいの大きさだよな。」
スコール「・・・・・・えっ・・・・・・!?」

思わずお互いの顔をみやった瞬間。


見 た わ ね・・・・・・


今まで聞いたこともない、ルールーの声が
二人の背後から浴びせられた。恐る恐る振り返ると
ビビを腕に抱いたルールーの姿がそこにはあった。
その後ろには、
顔面蒼白の軟派サークルの面々も連行されていた。

ああ、コレクションマニアの血が悟らせたのか・・・
ルールーには、わかっていたのだ。
ビビが魂のない人形だと言うことに・・・。
いつか、ビビをこの棚に飾ることが彼女の願望だったのだ。

ルールー「私と会話できるぬいぐるみちゃんなんていなかったわ。」
「ビビは誰にも渡さないわよ・・・」
ビビ「ルールーさんは、僕の事とっても大事にしてくれるんだ。」
「だから皆、僕達の事はそっとしておいてくれないかなぁ。」
ルールー「皆には、この場所のことは忘れてもらうわよ。」

ルールーはビビを降ろすと二人は同時に腕を振り上げ
今まで積んできたダンスの特訓の成果を発揮した!
そのまま二人で編み出した必殺技を
軟派サークルの面々に繰り出したのである。
忘却の炎、とでも言うのだろうか・・・。
しかしその炎に包まれるまでもなく、
全員はルールーのだっちゅうのポーズを見た瞬間に
全てを忘れてしまったのであった・・・・・・


ルールー「さぁさぁ、皆!!」
「もうお昼ご飯の時間はオシマイよ!!」

ルールーに揺り起こされて、ようやく軟派サークルの面々は
つっぷしていた机から顔を上げた。

ビビ「もう、次の授業始まっちゃうよぉ。」
シューイン「転入早々、遅刻はまずいよな・・・!?」
ジタン「ああ、ルールーさん・・・なんだか眩暈が・・・」
「保健室へ行ってもいいでしょうか・・・」
ルールー「ふふ・・・・・・しょうがないわね。」


こうして今日も、
変わらず保健室へと入り浸る軟派サークルの面々なのであった。

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