石の家 44話:約束の夢.1
直前の画面に戻る2004/03/12 Written by サエ

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「よぉ〜し、皆、きばれやぁ〜〜!!」

ワッカの掛け声に、子供達が元気良く答えた。
恒例の早朝ランニングである。
ジェクトは現在、地元のビッグトーナメントのため帰省中で
子供達は余計にワッカのブリッツ指導に参加していた。

あ〜〜〜、感動だ・・・!!
ジェクトさんがいると、俺、影薄いしなぁ・・・

ゴール地点の海岸が近いことを示す、
最後の曲がり角へとやってきた。
最近は、トップになった者が最初に個人指導してもらえるので
ここまでくると、皆一斉にラストスパートをかけるのだ。
ワッカはその様子を最後尾からうれしそうに見つめていた。
この様子では、今日のトップはティーダであろうか・・・
微笑ましげに見ていると
曲がり角のところで、途端に立ち止まる子供達。
・・・なんだ!?
鉄巨人でも現れたのか!?

・・・・・・いや、違うらしい。
ユウナレスカが一際大きな歓声を挙げると、
真っ先に海岸へと走り始めた。
他の子供達も負けじとその後を追っていく。
ワッカも慌てて海岸へ向かうとそこでは
子供達にもみくちゃにされているジェクトの姿があった・・・。

ティーダ「なんだよ親父ぃ〜、久しぶりじゃないか〜!!」
ジェクト「がっはっは!皆、元気だったか〜〜!!」
「よぉ〜ワッカ!!今日は俺様も手伝ってやるぜぃ!」

狂喜乱舞の子供達!
そもそも、ジェクトがこんな朝っぱらから起きるわけもないので
今まで彼が参加した事はなかったからだ。
子供達は誰もが、今日のランニングに参加して良かった・・・!!
と喜びをかみしめながらブリッツ特訓を受けたのであった。
お陰で、いつもより大分、時間を費やしてしまったようだ。
もう寺院での朝礼が始まる時刻が迫ってきていた。

ワッカ「さ、今日はここまで!」
「皆寺院まで、ダッシュ!!」
子供達「おー!!」
ジェクト「あ・・・(コホン)ティーダ、おめぇはちっと、ここに残れや。」
ティーダ「え・・・?でも、もう朝礼始まっちゃうよっ!」
ジェクト「いいんだ。イデアにはもう話つけてあるからよ。」
ティーダ「?そうなの・・・?」
ワッカ「じゃ、俺達は先に帰ってますんで。」

ワッカと子供達が寺院へと戻っていく姿を見送ると
ジェクトはおもむろに白浜にどっかりあぐらをかいて座り込み
ティーダにも自分の前に座らせた。

ジェクト「実はおめぇに、話しておかなきゃならねぇことがあるんだ・・・」
ティーダ「何々?いい話、悪い話?」
ジェクト「いい話だっ!!(・・・多分・・・)」

一方、その頃。
寺院では朝礼が始まろうとしていた。
しかし、ツォンの様子がどうもおかしい。明らかに
ムフー状態になっている・・・。

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