石の家 37話:優しい悪魔.2(学園祭編・その4)
2004/03/02 Written by ノア

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さすがユウナは違う。
圧倒的なその存在感が、紛れもない召喚獣と分かったからである。
感動のあまり、両手で口元をおさえてしまったため、
かろうじて立っていたアニキもひっくり返ってしまった。
ユウナの見ている前で、役目を果たしたと分かっているからか、
アニマは勝利のポーズのあと、フェードアウトしていった。

誰が召喚したんだろう・・・・・・。

シーモア「ユウナちゃん、大丈夫?」
ユウナ「えっ!!今のって・・・じゃあ、シーモア君が?!」
シヴァ「すごいでしょ・・・隠し召喚獣なのよ・・・(ウットリ)」
シーモア「隠しっていっても・・・だって僕のママンだし・・・」
「僕にしか召喚できないから、そんな・・・(ぽりぽり)」
ユウナ「すごい!!すごいすごいすごいすごい!!!」

ユウナは、シヴァが腕を絡めていない方の腕を取ると、
顔を紅潮させながらシーモアを褒めちぎっていた。

ユウナ「この前のアニキさんの召喚も完璧だったけど・・・」
シーモア「僕のママンはいつも僕を助けてくれるんだ。」
シヴァ「・・・アニキさんにこの次はないと思うし・・・(ぼそっ)」

シヴァの言葉に少し刺々しさを感じ、
慌ててアニキのほうを振り返ると、
大の字にひっくり返って泡を吹いているアニキがいた。

格好悪いし・・・・・・

そのままシーモアは、
シヴァとユウナの両手に花状態でお化け屋敷を後にしたのである。
気絶していたアニキは、
あとから来たダチ・リュックペアに発見され、
こちらも無事、なんとか脱出できることとなった。
しかし守ってあげるべきユウナが居ないために、
リュックがずっと半狂乱だったということは言うまでもない。
アニキもそれは同じ気持ちなので怖い気持ちを押し殺し、
お化け屋敷中を探しまくった。
アニキが気絶している間にはぐれているので、
ユウナはまだ、お化け屋敷の中にいるとばかり思っていたのだ。
迷路を全て攻略したのに、肝心なユウナんはまだ見付からない。
たこ焼き当番の時間も過ぎているのだがそうは言ってられない。
アニキが10回目のお化け屋敷に挑戦しようとしたとき、
リュックがもうあたしたちじゃ無理だよぉ〜と、
イデアに報告しに行くことにしたのである。

たこ焼き屋台に戻ってみると、
ニコニコと笑っているユウナを見つけリュックはようやくホッとした。
しかし逆に、アニキは絶叫を上げるところだった。
それも無理もあるまい・・・

ユウナの隣にはシーモアとシヴァが並んでいた。
みんな、お揃いのエプロンをしている。
例の、たこ焼き当番着用のエプロンである。
そしてそのさらに横に・・・。
どうやってつけたのか分からないが、
アニマも同じようにエプロンをしてたこ焼きを焼いていたのだから。

物珍しさも手伝って、
石光の家のたこ焼き屋台は、
この日大一番の売り上げを記録したのであった。

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