石の家 37話:優しい悪魔.1(学園祭編・その4)
直前の画面に戻る2004/03/02 Written by ノア

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たこやき当番になってもアニキはフケるに違いない!と
自由行動は一緒にするといいだしたリュックだったが
安心しろ、絶対そんなことはないぞ。
だって同じ当番の中に・・・・・・

ユウナ「わぁ・・・これ、可愛い〜〜!」

砂浜でスフィアを拾った次の日から、
なぜか女子のアニキを見つめる目が違っていた。
実は本当は2日後なのだが、
シューインに完璧に憑依されていたアニキには、
これっぽっちも記憶がなかったのである。
今も何故、ユウナが尊敬する眼差しで
自分をじっと見つめているのかが分からなかった。
と、そこへ、
同じようなサングラスをかけた2人組が
ユウナたちの前に立ちはだかった。

ウェッジ「客が来ないからさぁ〜」
ビッグス「今から拉致るのだぁ〜」

見ると2人の後ろに、確かに人があまり入ってないテナントがあった。
どうやらお化け屋敷らしい。
学園祭ともなれば目玉にもなるはずだが、
場所が悪かったのと、
例の素人喉自慢大会で肝を冷やした人々が、
これ以上恐ろしい目にあってたまるかと敬遠してるらしい。

リュック「ふ〜ん、お化け屋敷か・・・」
ダチ「面白そうだな?覗いてみるか?」
ユウナ「え・・・でもちょっと・・・怖いかも・・・・・・」
アニキ「(ハッ!今こそ男らしさを見せるチャンスだ!)」
「ユウナ、任せろ!俺に、ま・か・せ・ろ!」

おお、この言葉はユウナを勇気付けたようだ。
見よ、その目には今は感謝の色もにじみ出ている。
ダチもまた、 ここは男女ペアで入ることになってると言われ、
自然と笑みがこぼれるのであった。

4人が中に入っていくと、
ウェッジとビッグスも大喜びだった。
実はこの2人、ユウナを見て密かに淡い思いを抱いていた。
なんとかお話する機会をと探っていたのであった。

ウェッジ「隣にいた男、ムカつくなぁ」
ビッグス「よし、あいつには飛び切りコースだ!」

そうして2人は、コントロールセンターに入っていった。
さすがハイテク学園、ただのお化け屋敷ではなかった。
中はちょっとした迷路になっており、
全てのアトラクションを
モニター監視することが出来るようになっていた。

ウェッジ「でも・・・そしたら、ユウナちゃんも・・・・・・」
ビッグス「いや、ユウナちゃんには分からないようにする!」

ちょうどアニキとユウナが歩いてくるのが
モニターに映った。
第一アトラクションに着いたらしい。
怖いといっていたユウナは、既に泣きそうだった。

ウェッジ「あいつが逃げ出したところで・・・」
ビッグス「俺たちがヒーローで飛び出そうぜ!」

そんなことを言いながら、目の前の赤いボタンを押した。
モニターのカメラに、小さいハエが映った。
実は超小型レーダーで動く機械なのだ。
ハエはその足に、何か発信機のようなものをつけていた。
そのまま飛んでいき、アニキの肩にとまった。
・・・マイクも仕込まれているらしく、
コントロールセンターには2人の会話も流れ出した。

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