石の家 36話:ふたりはひとり.2(学園祭編・その3)
2004/03/02 Written by サエ

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レン(見た目はティナ)は舞台に立つと静かに、囁くように
『月のしずく』を歌い始めた。
まさに黄泉がえりだ、
会場の人々はその歌声で確実に意識を取り戻していったのであった。
そして、自分達を救ってくれたのが
紛れもなく、今舞台で歌っている美少女だと気づき
誰もが惜しみない拍手を彼女に贈ったのであった・・・!

ドナ「あらあらあらっ!?」
ルブラン「ティナったら、やるじゃないのさぁ〜!」
ユウナレスカ「今度、そのお歌、教えてね〜♪」
ベアトリクス「・・・ごめんね、皆・・・」
「またうちの馬鹿リンダが世話かけちゃって・・・」
風神「大丈夫!!」

ニッコリ笑った風神は、
シェリンダをまた〆られるという喜びで打ち震えていた。
その笑みは余りに冷酷で残酷で、美しかった。
女子は、風神は怒らせないようにしよう!と決意させた程の
屈託のない笑顔であった・・・。

舞台から降りてきたティナ(=レン)は
瞬く間に、観衆にもみくちゃにされる。
慌てて助けにやってきたツォン先生が
ご愛用のマシンガンをぶっ放して道が開いた所を
女子一同、ダッシュで駆け抜けて行ったのであった。


ティナ『楽しかった!気持ち良さそうだったね〜』
レン「全部、ティナちゃんの実力よ。」
「私はそれを拝借しただけなんだから。」
ティナ『ありがとっ!なんだか自信ついちゃった!』

レンが心の中のティナと語り合ってる前を
スコールとリノアが仲睦まじく手を握りながら通り過ぎて行った・・・。

ティナ『スコール!?』
レン「ううん、今は、シューインなのよ!」
ティナ『あ、そうだった・・・で、でも・・・・・・』
『なんだか、腹立たしいわ・・・(ムカムカ)!』
レン「それを言うなら、私なんて腸煮えくり返りそうよっ(キーー)!!」

シューインはしっかり学園祭をエンジョイしていた。
どうやらリノアに、
自作の「歌姫予想図」をプレゼントして気に入られたらしい。
リノアの手には、その画がしっかり握られていた。

リノア「ありがとね、スコール!」
スコーイン「いや〜なんてこっとねぇって!!」
リノア「えへへ・・・背中に白い羽、なんて天使みたい!」
「うれしいな〜、そんな目で私のこと見てたんだ?」
スコーイン「なんだい、今頃気が付いたのかい?」
「俺はいつだって・・・・・・」
リノア「やだ、スコールったら〜〜〜!!」
サイファー「!?な、ナニしてんだ、スコール!?」
スコーイン「ん?ナニってそりゃお前・・・・・・」
「見りゃわかるじゃね〜かよぉ〜!!」←つないだ手を見せる
リノア「ね〜〜!」←手をブンブン振り回す
レン(&ティナ)「・・・なるほど・・・。」
スコーイン「!!」
リノア「あ、ティナ・・・・・・えへへ、ま、こういう訳だから!」
「恋は争奪戦なのよっ!」

ティナは動揺していた。
目の前にいるスコールは、実際はシューインが操っているのだし
リノアと仲良くしているのはシューインなわけなのだけど
見た目はどうしたってスコールなわけで・・・
今までレクチャーされていた「嫉妬」の意味を
ようやく把握したティナちゃんなのであった。

一方のシューインも、さすがに現場を見られて気まずそうだった。
えへへ・・・と笑った後、
いきなりスコール君はその場に崩れ落ちたのだった。
・・・どうやら「スコールの体」から逃げたらしい。
察知したレンもまた、ティナの体から抜け出していった。
体を取り戻したティナは
複雑な表情でリノアと共にスコール君の手当てをしたのであった。


イデア「ふふ・・・2人とも、随分遊んだようですわね。」
レン「コイツは遊び過ぎですっ!!」
シューイン「いや、その、つい羽を伸ばしたっていうか・・・・・・」
レン「まま先生!!私、やっぱりザナルカンドへ行きます!!」
シューイン「え、ええっ!?」
レン「ザナルカンドで待ってますから・・・・・・」
「まま先生、必ず、私を迎えに来てください!」
「私は、私自身として、ここに転入したいです!」
シューイン「じゃ俺も逆輸入パターンで転入したい・・・です。」
レン「そうね、でも・・・・・・」
「私とは何の関係もないことにしてよねっ!」
シューイン「そ、そんな・・・!!」
イデア「まぁまぁ、そんな先走らないでも・・・・・・」
「とりあえず、ジェクトの家でのんびりしてらっしゃい。」

こうして2人は
夢ザナルカンドへと移り住んだのであった・・・。

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