石の家 33話:Dreams Come True.第3章-2
2004/02/27 Written by サエ

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しかし、シューインとレンは全然聞いちゃ〜いなかった。
二人して痴話喧嘩に夢中になっている。

レン「あんた、私がこのスフィアに宿ってるって知ってたでしょ!?」
シューイン「勿論さ、だから調べさせる為にシンラに渡したんじゃないか。」
レン「それならどうしてあんたも講義に参加しないのよ!?」
「魔法講義を選択したのは『あんたが』いい格好しようとしたからでしょ!」
シューイン「!!(どきっ)!!」
レン「あんたは今まで、ティーダ君の中から見てたわけだし。」
「この学園のことはよ〜〜〜っく、わかってたわよね。」
「ユウナの前でかっこつけたかったんでしょ!!」
シューイン「そ、それは、媒体のアニキが夢中になってたし、その・・・」
レン「どーーなのかしらねっ!!」

ティナは初めて見る、ホンキの男女のケンカを目の当たりにし
ドキドキしてしまった。
エーコが隣で解説なぞ、している・・・。
生きた教材としては、刺激が強すぎるかもしれないが。

イデア「二人とも、今はそんな揉め事している時間はありませんよ。」

ハッと気が付くと、幽体である二人は
いつの間にかどんどん大気に溶けて薄くなりつつあった。

イデア「今のあなた達には媒体が必要なのです。」
「このままでは存在が消えてしまいますよ。どうしますか?」
シューイン「ど、どうしますって・・・消えちゃうのは、嫌だよ〜!!」
レン「折角会えたのに消えちゃったら、ケンカも出来ない・・・」
イデア「あなた達には3つの選択肢があります。」

曰く。
このまま大気に溶け、新しい命を得て全く新しい人生を歩むか。
ザナルカンドへ渡ってそこで暮らすか、
もしくはこのままスフィアに宿ってビサイドに残るか。

シューイン「ザナルカンドって?」
イデア「あなた達なら、私の中のザナルカンドへ行けます。」
「ジェクトの家を使うといいでしょう。彼には私から話しておきますから。」
シューイン「!!ジェクトさんの家か〜!!・・・あれ?」
「ってかそもそもティーダやジェクトさんも・・・俺達と似たような境遇では?」
エーコ「えっ!?そ、そうなの?」
イデア「まぁ、これはトップシークレットですよ。」
「皆も他の子供達には内緒にしておいてね。」
「彼らは、シンに触れたので真実になれたのです。」
ティナ「シン・・・って何かしら。」
シヴァ「!!あ、イデア様ってそういえば・・・」

皆、改めてイデアを驚異の目でみつめる。
そう、イデアはシンでもあるのだ。
その彼女がザナルカンドで触れたからこそ、
ジェクト親子はこの世界で生身の体を持つことができたのだ。

レン「じゃ・・・私たちも、逆輸入なら・・・肉体を得られるのかしら…?」
イデア「私がザナルカンドで触れれば、そうなります。」
シューイン「おおっ!?ど、どうするっ、レン!?」
レン「あの、スフィアに宿る選択・・・は、どういう意味が?」
イデア「その場合、あなた達には肉体はありませんが・・・」
「この世界に留まって学園生活を送ることは出来ます。」
シューイン「うーん、で、でも、それって・・・」
「ティーダの時みたいな傍観者になるって事だよな。」
レン「でもザナルカンドで暮らすよりかは刺激的なんじゃない?」
イデア「時々でなら、具現化の許可は与えてあげます。」
「子供達の負担にならないようにね。」
シューイン「ああ〜、ど、どうしよう!?」
レン「直ぐには決められそうもありません・・・(涙)」

結局、ザナルカンドへはいつでも行けるということで
しばらく二人はスフィアに宿ってこの世界に留まることにした。
スフィアの中で、ゆっくり今後の話し合いもするそうだ。
石光の家に、またもや新しい友達は増えるのであろうか・・・?

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