石の家 31話:Dreams Come True.第1章-1
直前の画面に戻る2004/02/27 Written by サエ

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「あはは♪こっちこっち〜♪」
「待って欲しいでおじゃる〜♪」
「早く早く・・・・・・」
「待って待って・・・・・・」

波打ち際で楽しそうに追いかけっこしている二人の影。
ここは・・・、
どうやらビサイドの海岸のようである。
きゃっきゃとしばらく走り回った二人は
ようやく白浜に並んで腰をおろし
仲良く食堂のパンを美味しそうにパクつきだした。

「はい、どうぞ♪」

そう言ってユウナレスカにパンを差し出したのは
双子ピエロの片割れソーンだ。
ユウナレスカはうれしそうにお口アーンしていたのだが
ソーンのほっぺにパン屑がついてるのをみつけると
クスクス笑いながらソーンの顔に自分の顔を近づけ
パンくずがついたその口元に・・・・・・
・・・・・・・・・
・・・・・・

わはははは!?

ギップル「寝言は寝て言えってんだよな!?」
シンラ「いや、だから寝てるし(笑)」
アニキ「コイツ、図々しいのにも程があるよな〜」
ダチ「つぅか、これ凄い装置だな!?」
シンラ「ふふふん!」

シンラは手にした巨大なスフィアを誇らしげに撫でた。
これはシンラ君が発明した装置である。
ある日、偶然海岸で拾った巨大スフィアを手にした時から
密かに研究していたのだ。
その結果、心の中で思っていることを映し出す装置として転用され
今回初めて浜辺で眠り込んでいたソーンに対し人体実験を行ったのである。
ソーンの耳にはイヤホンのようなものがあてがわれていた。
そのコードの終端は巨大スフィアへと繋がっており
心の中で思っていた事が
この巨大スフィアへ投射されることが立証されたのである。

ダチ「ユウナレスカちゃん狙いとはなぁ〜」
ギップル「鏡見たことあるのかねぇ?」
アニキ「これ、他の人にもやってみたいぞぉ!」
シンラ「今度は違うパターンを検証してみたいし。」

彼の視線の先には雷神がいた。
海の中で遊ぶ女の子達・・・・・・
キスティに釘付けの雷神は一人、砂浜に座り込んでいた。
シンラ達は匍匐前進でそんな雷神に近づくと
ギップルとアニキが背後から羽交い絞めにして
ダチが素早くイヤホン型装置を雷神の耳に押し込んだ!

「!?ナニするんだもんよぉ・・・ムグムグ」

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