石の家 28話:Welcoming Ceremony(開校編・その4)
直前の画面に戻る2004/02/24 Written by サエ

テェ〜テケテケテケテケテッテッ♪
テェ〜テケテケテケテケテッテッ♪

楽しげなパレードの音楽が
その日は朝からビサイド島を包み込んでいた。
晴れ晴れしい盛大な花火の音もドンドコ打ちあがっている。
石光の家の子供達は今
ビサイド寺院で恒例の朝礼をしているのだが
皆ソワソワとして気もそぞろだ。

「おっほん!これから全員で式典に出席する!」
「各地の名士もいらっしゃるのでお行儀良くするように!!」

ツォンはドアの隙間から外を覗いているサイファーを睨みつけながら
イデアとバトンタッチした。

「ビサイド海岸に新しい学園が設立されました。」
「これから交流もあると思いますので仲良くしてくださいね。」

こうして生徒達は男女2列に並んで海岸へと歩き出す。
ビサイド島はスピラ中の人が集まってきたのではないかというぐらい
物凄い人々で埋め尽くされていた。
しかし、イデアを筆頭にやってくる学園生達を見ると
モーゼの如く人波は左右に分かれ道が開いたのであった。

ツォン「まったく・・・こんな大袈裟なことになるとは・・・」
イデア「そうですわねぇ。まさか、あの人がここまでやるとは。」
ツォン「両校の交流は本当に必要なのですか?」
イデア「マイカ総老師様がいらっしゃいますし・・・」
「何分、よそ者は私達の方ですからね。」
ツォン「くっ、無下には出来ませんか。」

ヒソヒソ話し合っているうちにビサイド海岸に到着した一行。
白浜にあった建機類は勿論全て綺麗に撤去され
豪華な赤カーペットがかわりに一面敷き詰められていた。
そこに来賓客用の椅子等が用意されている。
石光の家の講師と生徒達は
ビサイド・ガーデン関係者の人々と向かい合わせに着席した。

マイカ「今日この善き日に!!」
「この学園の設立を祝うためスピラ全土から人々が集った。」
「盛大なる歓迎、まこと感謝にたえぬ。」
「立たれよシド学園長。皆も顔を上げよ。」
「この人物はこのビサイド・ガーデン設立の第一貢献者であーる!」
シド学園長「全ての人々に、教育を施すこと。」
「これこそ、私の使命であります。」
「私の理想を実現すべく、身命を賭して職務に励む所存にございます。」

こうして祝典特有の長演説が滔々と始まった。
メイチェンは石光の家代表としての祝辞を
それはそれは嬉しそうに語っていた。
子供達はもっぱら
海の上に聳え立つ巨大なビサイド・ガーデン新校舎に釘付けだ。

雷神「すごいんだもんよ!!」
アーロン「こんな物が海に浮かぶなんて・・・」
シンラ「理論上は可能だし。」
サイファー「俺達、中の見学も出来るんだろ?」
ゼル「どうなってるのかな・・・ん?」
バラライ「あ、あれっ!?」

ゼルとバラライは思わず顔を見合わせた!
ビサイド・ガーデン関係者の中に見覚えのある顔があったからだ。

ベアトリクス「あら、シェリンダどうしたの?」
風神「・・・・・・!!!」

シェリンダの視線の先に、忘れもしない双子の顔があった。
双子は恥ずかしそうに、講師陣の後ろに隠れるようにして
チラチラ子供達を盗み見ていたのだ。

ソーン「?!ばれてるのでおじゃる?!」
ゾーン「!?目が合ったでごじゃる!?」

しかし既に式典は始まっており身動きは出来ない。
それは子供達も同様・・・のはずだったのだが
天然姫のユウナレスカにそれが通じるはずもなく・・・。
いきなり席を立ったかと思うと双子に向かって歩いてくるではないか!?
びっくりしたドナとルブランが慌てて彼女を席に連れ戻し
事なきを得たのだが・・・

慌てた双子はコソコソと式典を抜け出し、
新校舎のビサイド・ガーデンへと逃げ出したのであった。
それは、正面から見ている子供達には目立ちまくりであり
彼らが誘拐犯であったことは瞬く間に知れ渡ったのであった。

ジタン「なんでそんなのがここにいるんだっ!?」
ギップル「よし、あいつ等を捕まえようぜ!」
スコール「式典が終わったら・・・」
サイファー「誰が一番に見つけるか勝負だ!」←やっぱり競争(汗)

エルオーネ「そんなことがあったなんて・・・」
ユウナレスカ「ごめんね内緒にしてて。」
ベアトリクス「いいのよ、それより問題はコレよ!!」

ベアトリクスはシェリンダのポッケに入っていた
数々の貢物−−−物的証拠をしっかりと握り締めていた。

リノア「仲間の情報を売るなんて・・・」
パイン「シメるか。」

ああ、シェリンダの豪遊生活もこれまでか。
そうこうしている内に、ついに、式典が終りを向かえた。
マイカ総老師、シド学園長、オダイン博士、
そしてイデアとツォンが一列に並びテープカットを行った。

「全生徒諸君、健闘〜〜を祈るっ!!」

マイカ総老師のお開きの言葉とともに
ビサイド・ガーデン関係者は我先にとイデアの元へと殺到した。

一方の子供達はと言うと
ビサイド・ガーデン新校舎へ突入する男子と
シェリンダをシメる女子の姿があった。
しばらく、シェリンダの頬は倍以上にも膨れ上がっていたという。

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