石の家 10話:HUNTER X HUNTER.2
2004/01/19 Written by サエ

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しかしエーコのあまりの幼さに教室中がざわめいていた。
エーコはその反応にカチンときたのか、
大きく息を吸い込むと、大声でマデリーンの名前を連呼しはじめた。
ポッケの中ですやすや爆睡中だったモグは
急に隠し名を呼ばれたので慌てて変身した所為か、その姿は
デブモーグリになっていた。
とは言え、召喚獣には間違いないしデブモーグリは子供から見れば
まさにヒーローそのものであったので、少女達はデブモーグリに群がり
大騒ぎとなった。

「おおお、落ち着いて落ち着いて!」
「この様に、訓練すれば皆も召喚獣を扱えるようになります。」
「とりあえず、実際の戦闘でそのコツを学んでください。」
「隠された遺跡のドラゴンを退治するのね?」
「エーコ先生にまっかせなさ〜〜い!」

こうしてエーコを先頭にして洞窟前までやってくる少女達。
ここからは少女達だけの実施が始まるのだ。
少女達は全員おしくらまんじゅうの様な体勢で洞窟へと入っていく。
しかし、数歩もいかないうちに・・・

うわ〜〜〜ん!!

世にも恐ろしい悲鳴が聞こえてきた!
思わず足がすくんだ所へ、巨大な影が前を遮る!!
それは
女子と同じように、一丸状態となった男子生徒達であった。
子供達は人数が倍になったことで落ち着いたのか、
シンラの灯す懐中電灯の中で互いの状況報告をする。
エーコはここでかっこ良く、今度こそマデリーンを召喚する・・・
つもりだった。
しかし、モグは遺跡へ行くことを察知した時点で
こっそりツォンのポッケに避難していたのだ。
召喚獣がいない!
パニックに陥った生徒達の前に、
エフレイユが今度こそ本気で襲い掛かかってきた!!

「うわ〜〜〜〜!こっちにこないでぇ!!」

ビビが必死の形相で両手をエフレイユにかざすと
その掌に「まほう」のエネルギーが集約され
特大級の「ファイガ」が発動した。
このエフレイユは
実は前もってイデアが始末した残骸・ゾンビ系だったので
紅蓮の炎によってアッサリ燃え尽きていった。
イデアはこうなることを予期していたのだろうか、
ビビは生徒達から一転、尊敬の眼差しを受ける。

「なぁなぁ、俺達も「まほう」って使えるのかっ!?」
「・・・う〜ん、その事なんだけど・・・」
「とりあえず、こんな所早く出ようよぅ!」

それもそうだ。
生徒達は遺跡を出て、海岸へとやってきた。
皆で車座になり反省会を開く。
ビビは、やはり幼い故か魔法の発動にムラがあるらしい。
エーコはやる気満々なのだが
要のモグが臆病者なので肝心な時に裏切られることがあるとか。

「さっきの続きだけど・・・魔法って誰でも可能なわけ?」
「う〜〜んとね。僕にも、よくわからないんだ・・・」
「両手をガーって突き出して、ダァーって気合入れればいいんじゃね?」
「それだけじゃ、ないと思うんだよね」
「あ!!わたし、わかっちゃった!!!」

ユウナレスカは何か閃いたように突然立ち上がった。
その余りに断言的で自信満々な態度に
皆はつい、乗せられてしまったのだった・・・

おかげでその日。

ビサイド村ではあちらさんでもこちらさんでも
とんがり帽子を被った大小のなんちゃって黒魔道士達がウヨウヨうろつき
イデアのもとには織物屋からの多大な衣装代の請求書が届いたと言う・・・

委員長スコール ユウナレスカよ♪ 雷神だもんよ シンラだし・・・ ジタンだぜ! ギッポーだ! アーロンだが何故俺まで・・・

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