ビサイドの隠れた遺跡へ生徒達を連れてくるイデア。
今日はここで初めての「魔法」実践訓練を行うのだ。
スコール達は内心「ドロー」させられるのではないかと
戦々恐々としていたのだがどうやら違うらしい。
ちゃんと魔法の講師が招かれていたのだ。
しかし肝心の講師が見当たらない・・・?
「あら、そんな所にいらしたのですか。」
「恥ずかしがらずに出てらっしゃい。」
イデアは後ろを振り返って屈みこむと
自分のスカートの影に隠れていた講師を抱き上げた。
「あの、僕、ビビ・・・」
「黒魔道士です・・・」
それはまぁ、言われてみればその通りの姿なのだが。
長いとんがり帽子に青い縦襟の服、
ピエロのような裾の広がった縞々ズボンにみすぼらしい木靴・・・
なによりその顔は漆黒の闇に溶けており、中から光る双眸が怪しさ満点だ。
・・・と、言うのが伝説の黒魔道士だ。
しかし如何せん、この自称・黒魔道士ビビ殿は・・・
子供なのである。
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いや、生徒達も無論子供なのだがその誰よりも、さらに年下に見える。
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「ビビは、魔法に関しての先生であると同時に今日から皆のお友達です。」
「仲良くしてくださいね。」
そう言うとイデアは遺跡内から出て行ってしまった。
取り残される子供達&ビビ。
イデアがいなくなると同時に、遺跡内から光は失われ
聞いたこともないような獣の咆哮があたりを埋め尽くしていった。
ビビ
「うわ〜〜〜ん!暗いよ狭いよ怖いよぉ〜〜!!」
ジタン
「!?お前、曲りなりにも先生だろっ!?」
ビビ
「でも僕、僕っ、暗いところ苦手なんだもんっ・・・」
ギップル「おいおい!まほう、とか言うのお前しか使えねぇんだぞっ!?」
バラライ「今モンスターに襲われたりなんかしたら・・・」
アーロン「危ないっ!!」
アーロンがギップル達をなぎ倒すと
今まで頭があった場所をドラゴンの顎が通過していった。
よりにもよって、守護神エフレイユが現れたっ!!
ビビはその姿を見て悲鳴を挙げると
一目散にその場から逃げ去ってしまった。
・・・・・・
・・・・・・えっ?
一瞬考え込んだ生徒達も一拍置いてから
慌てて逃げ出した!!
こんな状態で、エフレイユを倒すことなど出来るのであろうか?
一方、その頃−−−
光の家でも新しい講師が紹介されていた。
ツォン先生が教室の扉を開くと
黄色のオーバーオールに身を包んだ、
同色の大きいリボンを頭につけた愛くるしい少女が
ふんぞり反りながら登場した。
本人曰く、先生らしく「偉そうに」登場しているつもりらしい。
しかし、その少女は誰よりも小さくまた幼かった。
これで講師が務まるのだろうか・・・?
だが、その頭から突き出ている角が彼女の非凡さを証明していた。
「エーコ先生だ。」
「彼女は君たちに「しょうかんじゅう」について講師してくれる。」
「と、同時に新しいお友達でもある。」
「よろしくね!!ついにエーコの出番がやってきたのだわ!」