FF5 支配
直前の画面に戻る2004/04/12 Written by サエ

「俺にはか弱き女性を殴る拳なんて持ち合わせていねぇんだ。」
「俺様の武士道精神に反するからな!!」

メリュジーヌは隣の男がギルガメッシュだったことにやっと気付く。

「お主、今までどこにいっていたのだ!?」
「エクスデス様が探しておられたぞ!」
「貴様、やっぱりスパイだったのかーーー!」
「いや、それは誤解だ!」
「俺はキッパリ、エクスデスとは袂を別った間柄だ。」

ギルガメッシュが乱入してきた所為でバッツ達の攻撃の手はとまってしまった。
そして、そこに更なる珍入者が現われたのである。

レナだ。

彼女はカルナック女王と不毛な争いを繰り広げていたものの
ようやく火のクリスタルを借りに来たのだと言う目的を思い出し
ファリスに後の事は頼んで酒場へとやってきたのだった。

ところがレナが酒場に入ってきても男達は誰一人、
彼女に声をかけてこない。
(いやメイチェンは手を振っていたのだが眼中になかったようだ)
そしてようやく、彼等の熱い視線を独り占めにしている者が
舞台上のダンサーであることに気付き、
負けてたまるかと自分もダンサーにコスプレして
舞台に乱入してきたのであった。

「ほほほ!!これは上手い具合にいい憑代がきおったわ!」

言い終わらぬうちに、
メリュジーヌはレナに憑依してしまった。

「し、しまった!!」
「このままでは、レナを傷つけてしまう!」

「・・・・・・・・・・・・・・・」

はーーーっ!!
「ほーーーほっほ!私を操ろうなんて小賢しい、1000年早いわ!!」

ミイラ取りがミイラになるとは・・・
レナの体を乗っとるつもりで憑依したメリュジーヌは
逆にレナに吸収されてしまったのである。

恐るべしレナ!!

だが見よ、今のダンサー姿のレナには
確かにメリュジーヌが放っていた魔的な蠱惑さが加わっており、
妖しい色香を周囲に放っていた。
観客達はあっという間に彼女の虜になり
舞台下から三度熱い雄たけびを挙げていた。

おお、それこそ、レナが望んでいたものだ!!

レナは早速、舞台上で嬉しそうに踊り始めたので
バッツ達三人はそそくさと舞台を降りると
ようやくメイチェンの席へと戻ったのである。

「いやはや、退屈しませんのぅ。」
「まぁ〜レナは色んな意味で凄い奴だからな・・・」
「いや全く!!ビックリしたぜ・・・」
「はっ!?そうだ、お主!!先程ワシ等に刃を向けおったな!?」
「いやっ、それはもうっ、いいじゃないかよぅ・・・」
「あれはギルガメッシュ殿の作戦だったんですなぁ。」
「レナ殿を舞台へ上げるまでの時間稼ぎだったんですわ。」
「おお、そうだったのか!?」
「敵を欺くには味方から、という事ぢゃったか・・・。」
「ええっ!?・・・お〜〜、そっ、そ〜〜〜だともっ!勿論!!」

(爺さん、助かったぜ!!)
(なんのなんの〜旅は大勢の方が楽しいですからなぁ〜)

ファリスがどうにか火のクリスタルを女王から借り受け
酒場へやってきた頃
レナは舞台上で軍資金としては十分過ぎるぐらいおひねりを稼いでいた。
こうして一行は次なる目的地へと出立したのであった。

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後書き
FF5小説はここまでで終わりで続きはありません…^^;
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