FF4 幻獣界編 .2
Written by ノア

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「カインさん!まぁ・・・山から、降りられたのですね?」
「私は・・・貴女に謝らなければならない・・・」

アスラの祝福を受けたあとだったので、カインはしっかりと話すことができた。

「母上のことだ。本当に・・・申し訳ないことをしてしまった。」
「カインさん・・・ありがとう。そういっていただけるだけで嬉しいです。」
「わたしはもう大丈夫です。」
「幻獣王と女王が、わたしを支えてくれましたから・・・・・・えっ!?」

リディアは見つけてしまった。

カインの肩越しからのぞく、銀髪のツンツン頭を。
あれは、あの髪型をしているのは、この世であの人だけ・・・

「エッジ!!」

その名を口にするのもなんと久しいことか。
リディアの瞳はたちまち涙であふれ
そのまま一目散にエッジの胸へ飛び込んでいったのである。

「リ、リディア・・・・・・」 ←メチャクチャ、焦っている
「エッジ・・・・・・もう、二度と、会えないと思っていた・・・・・・」
「ダメぢゃ!!リディア、ダメぢゃぞ!!!」

苦虫を噛みつぶしたような顔をして二人を見ていた幻獣王が
ついに怒りを爆発させて叫びだした。

お似合いと思われたリディアとエッジに何があったのか?
二人が疎遠になったきっかけとは?

当初エッジは、毎日のように幻獣界にやってきてはリディアと過ごし
帰る際には必ずプロポーズしていた。
しかしリディアはその度に申し出を断っていたのである。
そんなやり取りが何年か続き・・・リディアに会える楽しみより
リディアに断られる辛さのほうが大きくなっていったため、
エッジの足は幻獣界から徐々に遠のいていったのである。

「卑怯な奴ぢゃ!姑息な奴ぢゃ!」
「リディアと一緒に居たいなら、何故、お前が、ここに住まないのぢゃ!」

リディアの、幻獣界から離れない原因はここにあった。
いまや父、母がわりとなった幻獣王と女王アスラの傍を離れることに、
二人を残していくいことにためらいがあったのである。
しかし結論が出せないうちに
エッジの心が先に折れてしまったのであった。

「お前は、リディアの気持ちを、本当に考えたことがあったのか?!」
「お前は、リディアに求めるばっかりぢゃった!!」
「お前が、国を離れられない理由があるように、」
「何故リディアにもそれがあると、考えぬのぢゃ!!」
「そのような浅はかな奴に、大事なリディアを渡すわけにはいかぬわ!!!」

ぺっ!!

幻獣王は興奮のあまり、エッジに向かってお尻ペンペンしていた。
そこまでするか幻獣王よ。

すると。

ギィィィィィィ・・・・・・


すさまじい妖気が開かれたドアの向こうから流れ込んできた!
一瞬にして凍りつく一同。
現れたのは「怒り」の顔をした女王アスラだった。

あ・・・な・・・た・・・・・・



「ひぃ!!」 ←腰が抜けている

いい加減にしなさいっ!!


「いやぢゃ・・・いやぢゃ・・・・・・」

ここでまた空気が一変した。
アスラが「慈愛」の顔に戻ったのである。

「リディア。貴女の好きなようになさい。」
「ここはあなたの故郷です、いつでも顔を見せにくれば良いのです。」
「いやぢゃ・・・いやぢゃ・・・側にいて欲しいんぢゃ・・・」
「あなたっ!これ以上リディアを束縛したいのですかっ!?」
「ま、待ってください!オレ・・・確かに、自分勝手すぎました。」
「このままリディアを連れて帰るなんて、図々しいことは出来ません。」
「ほほほ。エッジよ。竜騎士殿と同じことしようと考えてますね?」
「それではリディアはお婆ちゃんになってしまいますよ。」
「でも・・・俺は、今、汚れすぎています・・・修行でもして、垢を落とさないと・・・」
「それなら、ワシにいい案があるのぢゃ!」
「ワシの出した試練をクリアしたら、リディアとの結婚を認めるのぢゃ!」
「・・・・・・あんたの出す、試練!?」
「フォフォフォ。ワシとて、いつかはこんな日が来ると覚悟はしておったわい。」
「ついて来るがよい!!」

一同は最下層B8Fの頑丈な扉の前までやってきた。

「この先がお前の試練ぢゃ。」
「見事クリアすれば、結婚を認めよう。準備は、いいかの?」
「エッジ・・・・・・」 ←やっと会えたのに、と悲しんでいる
「エッジ・・・男の見せ場だぞ!」 ←本気で応援している
「エッジ、頑張って!!」 ←何故か、クスクス笑っている
「あいよっ!リディア、皆ぁ!!すぐ戻ってくっからよぉ〜〜〜!!」

パチリとウィンクしてみせ、一呼吸置いてからエッジはその扉を開けた。

その扉の向こうには・・・・・・

「よぉ!クソガキィ!!」

ハンマーを抱えた飛空艇技師シドが待ち構えていたのだ。
エッジは、ここでの修行の大変さを初めて思い知るのだった・・・。

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