FFX-2 シューインの日記
直前の画面に戻る2003/04/21 Written by サエ

ここは・・・スピラの世界は、1000年前と何も変わっちゃいない。
召喚士を犠牲にしてでも、自分達だけが助かりたいだけなんだ。
いや、オレにとっちゃ、召喚士が何人死のうが知ったこっちゃない。
ザナルカンドが負けたって、なんだっていいんだ。
レンがオレの傍にいてくれさえすれば・・・

レンは、将来が約束された大スターになるはずだったんだ。
オレの地道なプロデュースの結果、
スタジアムを超満員にするぐらいの歌手になったんだ。
今でもはっきりと思い出せるよ・・・
オレが配った整理券を貰った人が、うれしそうにレンと握手できるって
喜んでたよなぁ・・・
あのままいけば、ビッグでメジャーでカリスマ的な歌手になれたってのに
奴らは、勝手に戦争おっぱじめやがった。
あげくに機械相手の戦闘に召喚士を前線へ送り込み始めたんだ。
レンは・・・
レンなら、そんな状況、放置できるわけがねぇ・・・
オレが、ギリギリまで赤紙を破り捨ててたんだが
アイツは、ゴミ箱に捨てられてた召集命令を見ちまったんだ。
気が付いた時は、遅かった。
アイツは、コンサートをすっぽかして前線へ逝っちまった。
観客は、前線へ赴くレンのメッセージを見て、
自らも戦地へ旅立っていったっけ・・・
結局、「戦争へ逝こう!」ってプロパガンダを銘打ったようなもんだ。
それからザナルカンドは戦争ムード一色になっちまったんだよな。

オレは必死に考えたんだ。
レンが死なずに済む方法を。
それが、伝説に聞こえたヴェグナガンだ。
物凄い機械兵器で、
それが使われたらザナルカンドなんて一瞬で消し飛んでしまうらしい。
それならオレが奪って、先にベベルをぶっ壊せばいいんだ。
ヴェグナガンは取り扱い注意ってことで、
ベベル宮殿奥深くに隠されていたが・・・
なんだか、ヴェグナガン自らがオレの前に現れたような感じだったな。
ヴェグナガ〜ン、出ておいで〜〜〜って思ってたら、
普通に目の前にあったし。
コレ幸い、ってんで乗り込んで操縦しようとしてたんだ。
そしたら・・・
レンが来ちまった・・・
あとは、スフィアの通りさ。
2人して、ベベル僧兵に撃ち殺されたってわけさ。


気が付けば・・・オレは一人っきり。

レンが何処にもいねぇ・・・


レンを探して彷徨っているうちに・・・
スピラは何にも変わっていないことに気付いたんだ。
相変わらず、くだらないことで殺し合いしてやがる。
オレは、だから皆の手伝いをしてやっただけさ。
心の中の暗い部分を引きずり出してやるだけで、いとも簡単に
同士討ちを始めたっけ。
なんてったっけ・・・
どっかの洞窟での同士討ちは壮絶だったなぁ・・・
丁度、オレもこの洞窟に留まっているのに飽きてきた頃だったので
その内の一人に憑り付いてみたんだっけ。
コイツは死にたがっていたから、付け込む隙だらけだったんだよな。

しばらくは・・・表面意識にまで出てくることはできなかったっけ。
まだオレにも操作方法がわからなかったし。
とりあえず、オレはコイツの深層意識からの命令を出すので精一杯だった。
「レンのスフィアを探し出せ!」って伝えたはずなのに、
「スフィアを探し出せ!」ってことになってたし。
まぁ、それでも良かったけどな。
おかげで・・・
ようやく、レンにも会えたし・・・!!


異界の花畑で君に出会えたとき・・・
オレ、思わず昇天しちゃいそうになったよ。
これからって時に、
本人目の前にして、異界へ逝ってどうするんだ、オレ!?
久しぶりにこの胸に抱いたレン・・・
気のせいか、ちょっと痩せ気味だったが・・・
レンはもっと、ボン★キュッ★ボンってしてた様な気もしたが・・・
オレは気にしないことにした。
なんてったって、1000年ぶりなんだから。

さて・・・
この後、どうしよう?
レンをどこに誘ったらいいかなぁ?
異界の花畑、ムードは満点だが・・・音楽ないし。観客いないし。
二人だけのコンサート、ってのもなぁ・・・
1000年ぶりにしては、寂しすぎるだろ?
オレだって 久しぶりにプロデュース魂ってもんを見せてやりたいし。
そうだ!
ヴェグナガンだ!!
あれって楽器だったよな。
あれでレンに歌ってもらおう。
ついでにスピラも綺麗にしてやれば、皆も喜ぶしな。
ってんで、オレはヴェグナガンの所で待ってたんだ。


レン・・・
相変わらず、寝癖が可愛いぜ・・・


・・・・・・
・・・・・・?
・・・・・・寝癖?
・・・・・・おかしい。

オレが毎朝入念なブラッシングしてたんだ、レンにはそれこそ、
枝毛の一本もないはず・・・。
オレは、宿主の目に目薬さしてみた。
それからもう一度レンをよく見ると・・・
!!!
レン・・・レンじゃ、ない・・・!!
誰だ、お前は・・・!!
よく見たら、コイツもオレのこと、同じような目で見てやがる・・・!
何、ティーダのソックリさん、だと・・・?
知るか、そんな奴!
オレは、オレだ!
デモ画面でも異界の花畑CGでも、登場していたのは、オレの方だ!
勘違いしてたのは、お前らの都合だろう、オレの所為じゃない・・・

頭にきたオレは、コイツらと戦闘した。
戦闘していても、相変わらず冷たい視線を感じた・・・
これは、オレのオリジナル技だ、
ティーダの物真似じゃ、ないぞぉ・・・多分。
「テラーオブザナルカンド」
これは、オレがザナルカンドの語り部であることを証明してるんだ。
実在のザナルカンド人からの生き様をお前達に見せてやるぜ!
でも・・・
負けちまったんだよな。
畜生、お前なんかにオレの気持ちがわかってたまるかってんだ・・・
そしたら・・・


シューイン・・・
 レン!
やっとだね。
 ああ、1000年もかかって、やっとこれだけ。
これだけでいい。もう充分だよ、君の気持ちだけで胸がいっぱい。
だから、もうやめよう?帰ろうよ。
 ・・・いいのか?
何もかも1000年前じゃない。振り返っても遠すぎるから・・・
眠ろう?シューイン。ずっと一緒に。
新しい歌、聞かせてあげる・・・。


レン・・・
やっと君に会えたよ。
君に捧げられた屍の数、ちょっと足りないかと思ったけど・・・
君がそういうなら、もう帰ろうか。
新しい歌、またいつか・・・プロデュースできると・・・、いいよね・・・

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