FF10 
直前の画面に戻る2003/06/10 Written by サエ

予期せぬ幻光吸収により、自滅(?)してしまったシーモア君。
しかし強い思いを残したシーモア君が、
真っ直ぐ異界へ逝く訳もなく・・・
シーモア君も自分で逝ってみて、初めて自分の意思の強さで
スピラに留まれることに気付いたのであった。
とりあえず、シーモア君はマカラーニャ寺院に行ってみることにした。

「シ、シーモア!?そ、その姿は・・・」
「私も、ついに貴女と同じ立場となりました。」
「うん・・・うん・・・そうであったか・・・」 ←ちょっと、喜んでいる
「しかし、このままでは私はただの亡霊・・・」
「祈り子の貴女とは釣り合いがとれなくなってしまいました。」
「な、何を言うか!そなたは十分、わらわに相応しい男ぞ!!」
「しかし、それは召喚士達には通用しないでしょう。」
「彼らはきっと私を異界送りしようとやっきになるに違いありません。」
「むむむ・・・よし。ならば、わらわが真実を見せてやろう。」
「こい、シーモア!!」

ガガゼド山頂、祈り子たちの集合住宅地へ向かう二人。

「シーモア。彼らが召喚しているものは、知っておるな。」
「・・・夢の、ザナルカンド・・・ですね。」
「そうじゃ。じゃが、スピラの民は皆誤解しておる。」
「彼らが『シン』を召喚していると思っておる。」

1000年前。
ベベルとの機械戦争に敗れたザナルカンド人は
生き残りの人々総員で祈り子と化した。
そうすることで、
夢の中に『平和な時を過ごすザナルカンド』を残したのである。
それを取りまとめているのが、中心にいるエボン=ジュだ。
彼は、あくまでも『夢ザナルカンド』を召喚しているに過ぎない。
その夢を守るため、
娘ユウナレスカが鎧となる究極召喚獣を与えたのだ。
『シン』は単なる鎧であり、例え打ち破ったとしても・・・
中にいるエボン=ジュが、打ち破った召喚獣を新たな鎧・シンへと導くのだ。
エボン=ジュが夜なべして衣を縫いつくろっている時間こそが、ナギ節の正体だった。

シーモア君が、その『シン』になることを望んだのは
これこそが絶対無比な力の象徴だからである。
「絶対」「完全無欠」「一等賞」、シーモア君の好きな言葉である。
この世で一番の力を得て、スピラを死の安息で祝福すれば
全ての民が『夢ザナルカンド』で幸せに暮らせるのではないか。
それこそ、究極の永遠に続くナギ節であり、
スピラにその平和をもたらすのは自分において他はない、と考えたのである。
おまけに、シヴァと堂々と街を闊歩することができる。
シヴァがシーモアを後押しするのも、当然これが原動力になっていた。

「どうじゃ・・・折角だから、夢ザナルカンドへ行ってみぬか?」
「えっ、行けるのですか!?」
「お主も、話にしか聞いたことはないであろう。」
「今のお主ならば、体験できるぞ。」

こうして、噂の夢ザナルカンドへ初めて足を踏み入れるシーモア君。
カラクリは知っていたものの・・・
夢ザナルカンドはよくよく考えたら、初体験なシーモア君であった。
行ったこともない場所に、全スピラ人を連れて行こうとしてたなんて・・・
今更ながら自分に突っ込んでみたりした。

「シヴァ殿も・・・よく来られていたのですか?」
「フッ・・・わらわは、スピラの方が楽しかったのでな・・・(ポッ)」
「じゃが、戦いに疲れたときは、ここで癒されていた。」

そうなのだ。
祈り子達だけは、『シン』の正体を知っていた。
元々、祈り子達は、
1000年前のザナルカンド時代からの召喚獣なのだから。
機械戦争では、ベベル相手に戦っていた召喚獣たち。
しかし、敗北が濃厚となるや、
ザナルカンド人達は夢見る夢子ちゃんとなってしまった。
自分達は、既に「召喚獣」としての祈り子であったので
「夢」を見るための祈り子にはなれなかったのだ。
彼らが召喚した「夢」へ行くことは、出来たのだが・・・

時代が流れるにつれ、
召喚獣の自分達を使役する召喚士達が出てきた。
こともあろうに、『シン』を倒すための手段として、だ。
『シン』の中に眠るは、我らが同胞・・・
そして、選ばれた究極召喚獣も、
ニュータイプ・シンに変化するだけのこと・・・
かと言って、その真の意味を伝えることは出来なかった。
「祈り」の力で彼らを御することが出来た召喚士には逆らえなかったし、
なによりサイヤ人としての誇りがあったから・・・
元々戦うことを目的に生み出された召喚獣たちには
戦闘回避という選択肢は存在しなかったのだ。
だか、不毛な戦いであることは百も承知なので、それだけ彼らの心は荒涼としていった。
「夢ザナルカンド」はそういう意味でも召喚獣たちの憩いのオアシスなのであった。

しばし、不夜城の夢ザナルカンドの世界を満喫するシヴァ&シーモア君。
そこへジェクトがやってきた。

「お、シヴァ!相変わらず、色っぽいじゃねぇかよっ!!」
「今日は、お主に客を連れてきたのじゃ。」
「初めまして、と言いましょうか・・・シーモア、です。」
「あぁ〜〜〜ん?おっ、お前・・・どっかで?」
「おう、ミヘン・セッションで会った奴か!」
「なんでぃ、お前も・・・仲間入り、ってことか?」
「はい・・・お恥ずかしながら。」
「シーモアは、お前の跡継ぎになりたいそうじゃ。」
「ホントかよ!?」
「後継者に立候補する奴なんていねぇと思ってたんだけどよぉ。」
「いや〜悪いなぁ。でも色々つれ〜ぞ〜、スピラからは毛嫌いされるしよぉ。」
「いえ、それには秘策がありますので。実は・・・。」

シーモア君、全スピラ安息化計画を打ち明ける。

「・・・するって〜〜〜とっ、何かい?」
「俺様も、アイツと一緒に暮らせる・・・のか?」
「そうです。ここ、夢ザナルカンドでブリッツし放題です。」
「ブリッツに関しては、もう一人、優秀な人材もおりますし。」
「おまけに、孫の顔も見れる・・・かも、しれません。」
「カーーーー!ユウナちゃんか!?」
「アイツには、もったいねぇ〜子だよな・・・(キラッ)」
「よし!!俺様は、その計画に乗ったぜ!跡継ぎは、お前に任せる!」

現時点の『シン』の協力を受け、スピラへ舞い戻ってきたシーモア君。
彼が全スピラ人に安息を与えられる日はやってくるのだろうか!?

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